歴史そして挑戦
天空の雲を突き抜けんとす濛々しき勇ましい姿。清んだ川の流れの如き美しくかつ妖艶な舞・・・
龍の舞を見た者は、全ての意識を奪われ時が経つのを忘れ暗示にかかった様に呆然と立ち尽くす。
古来龍は神の化身として人々に崇められ幸運の証として奉られてきました。その様な龍を一筆で書き下ろそうと挑み続けている匠がここにあります。
晄秋家では一筆龍をお客様にご注文頂いてから真心を込めて筆を下ろさせて頂いております。
龍の歴史
古来中国では龍の形を「三停九似」と言われる決まり事によって描いておりました。
「三停」では龍の体を三つの部分に分け「首は腕に至り、腕は腰に至り、腰は尾に至る」とされています。つまり流れる様な一続きの生き物だと言っております。
「九似」とは「頭は牛の様、口はロバの様、眼はエビの様、角は鹿の様、耳は象の様、鱗は魚の様、髭は人の様、腹は蛇の様、足は鳳凰の様」とされていました。「九似」には他の地域に行くともう一つの説がありました。
「角は鹿の様、頭はラクダの様、眼はウサギの様、首は蛇の様、腹はハマグリの様、鱗は魚の様、爪は鷹の様、手は虎の様、耳は牛の様」と。
ところが時を越え場所も変わり「鱗が魚の様から鯉の様だに変わったり、その鱗は八十一枚ある様だ、口の傍らに髭がある様だ、喉の下には逆を向いた鱗がある様だ」と色々な龍の姿が語られ人々が本当の龍とはいかなる物か?と困っておりました。色々な龍が語られる中、龍の如実な姿を描写し形造る為に逆に「五忌」と言う龍を描く上で五つのやってはいけない事を決めました。「口は合わせてはいけない、眼は閉じてはいけない、首は太くしてはいけない、身を短くしてはいけない、頭を低くしてはいけない」この事により様々な龍が描かれ命を吹き込まれてまいりました。
現代描かれる龍は人々が歴史の中で美しさ力強さを求め切磋琢磨してきた究極の完成型なのであります。
龍とは・・・
後漢時代紀元100年、許慎が著しました説文解字によりますと
「龍は鱗虫の長なり。幽き所にもあり明き所にもあり、細くもなり巨きくもなり、短くもなり長くもなり、春分には天に登り、秋分には淵に潜む。」とあります。
すなわち龍とは地上界の考えでは計り知れない行動や生態、説文解字の文章から読み取れる事は何事も受け入れる懐の深さではないかと思われます。
その様な理由で人の英知を超えた生物とされ神の化身として崇め奉られてきたようです。
美しき龍
龍は十二支の動物の中で唯一の空想的動物。
「九似」の説=頭は駝(らくだ)、角は鹿、眼は兎、耳は牛、項は蛇、腹は蜃(みずち)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎。 京都の天龍寺をはじめ、日光東照宮など、龍は天井絵や、襖絵にもよく描かれ、邪気を祓う縁起の良い動物で出世開運のお守りとしても知られています。
中国では龍を「四瑞」のひとつとされ、鳳凰、麒麟、亀とならんで、東方を守る神として拝められている。 古くからヨーロッパやインドでも家庭に富と福をもたらす神であったり、五穀豊作をもたらす神など、とても縁起の良い神であります。
又、龍が手にする「如意宝珠」は人々の願いを叶え、無病で幸福になるといわれています
晄秋家のこだわり
私達晄秋家は先代達が築き蓄えて来た知識や業を後世に残す為日々努力しております。
一人でも多くの方にこの様な文化がある事を知って頂くよう技に磨きをかけております。
一筆龍晄秋家では一筆龍をお客様にご注文頂いてから真心を込めて筆を下ろさせて頂いております。
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